相続対策としての不動産投資は価格復元力が重要
現預金で不動産を購入したり、遊休地に収益アパートを建築することにより、相続税評価を下げることができる。
しかし、評価額の圧縮だけに気を取られるあまり、資産価値そのものを下げてしまっては意味がない。
確かにタワーマンションの上層階は価格が高い反面、土地持分などの関係で評価額は低く抑えられるし、収益アパートを建てることで更地の土地評価を下げることはできる。ただ、将来相続人に資金需要が発生したときにスムーズに現金化できるかの視点が欠けているのではないだろうか。本来、相続人は現金を相続するのが一番うれしいはずなのだ。
不動産投資で重要なのは「時間軸で考えること」なのだ。
湾岸エリアを中心としたタワーマンションなどは、この相続税対策の購入による底上げや、外国人投資家の流入もあり、実力以上に価格が底上げされていると考えられる。オリンピックの選手村の2次利用で大量供給されれば、上昇基調の価格も腰折れする可能性を否めない。
収益アパートも、昨今、空室問題が顕在化するにつれ、その資産価値は下落傾向にあると考えられるし、スルガ銀行の問題を契機に金融機関の収益用物件に対する融資が滞ってしまった今では、従前のフルローンで物件を買えていた時代の価格は再現できないと考えるのが自然である。
過去を振り返ってみても、ファンドバブル時に新築マンションの価格が急上昇し、リーマンショックを経て、価格調整局面を迎えたところは記憶にあたらしい。景気には循環というものがある以上、それを見越さなければなりません。アメリカ✕中国の貿易摩擦が原因となるのか、ヨーロッパ経済の不調が原因となるのかは分からないが、不動産投資は基本的に長期運用となるため、オリンピック後、アベノミクス後を視野にいれた物件選びをする必要があるのだ。つまり時間軸を意識して考えなければならないのである。

資産管理会社とは、家族でつくる相続用の器(うつわ)
相続対策で一番残念なのは、被相続人が、幸せな資産承継をできたかどうか見届けられないこと。そこでスター・マイカ・アセット・パートナーズでは、元気なうちから「一緒に」次世代への資産承継の器を準備して、節税・贈与から相続まで「トータル」にデザインできる方法として、資産管理会社の提案を行っている。
たとえば、相続対策として収益用マンションを取得したとしても賃料収入が現金として被相続人に貯まってしまっては効果が半減してしまう。これを相続人と一緒に設立した資産管理会社で収益物件を取得し、賃料収入を法人に貯めれば節税もできるし、相続人に役員報酬として払い出せば、生前贈与のような財産分与が可能となる。
なお相続が発生した場合は、、被相続人の会社持分を相続人が承継していくことになるが、その持分は会社資産を純資産評価するなどして評価するが、相続人となる役員は、増資をするなどしてあらかじめ被相続人の持分を徐々に減らしておくようにしておくと効果的だ。
納税資金の捻出にリースバックを活用
相続する財産が不動産中心の場合、納税資金や代償分割のため資金に困ることがある。そんなときセル&リースバックという方法が有効だ。
これは住み慣れた家を売却し、売却代金を得た後も、買主と賃貸借契約を結び、そのまま住み続けられる仕組みである。不動産投資を行う、親会社スター・マイカを買受人としてセットアップできる同社ならではの強みである。おりしも、民法(相続法)の改正で、配偶者が相続財産である自宅にもそのまま住み続けられる、いわゆる「配偶者居住権」が創設された。長年、連れ添った伴侶が自宅を失わずに済むのは朗報と言えるだろうが、納税資金面の問題は、これとは別個に解決しなければならない。
このようなケースにおいても、セル・アンド・リースバックは有効なのである。